一緒に喜ぶ人々
マタイによる福音書25章14~30節 牧師 鈴木光
終末の時代の生き方を、たとえ話を用いてイエス様が教えます。
1.天の国を預けられて
ある主人が旅に出るにあたって財産をしもべたちに預けました。5タラントン(単位)預かったしもべと2タラントン預かったしもべは、それで商売して倍に増やしました。一方、1タラントン預かったしもべは、隠しておいて何もしませんでした。かなり時間が経って、帰ってきた主人と清算が始まりました。増やしたしもべたちは喜ばれ、怠けたしもべは叱られました。
通常、この話はタラントンを神様から与えられた賜物(この場合は才能や能力など)をたとえていると考えます。しかし、今日はこれが「天の国」のたとえであることに注目して考えてみましょう(14節)。
神様はイエス様を信じる人々に天の国(神の国)をわかち合います。神の国とは、神様が主人であるところですから、この地上の生涯においても信じた人の内に神の国は生まれます。この天国につながる神様の治める神の国が地上においても広がるようにと、私たち信じる者は期待されてゆだねられています。
神の国を広めることに熱心な人々は、イエス様が迎えに来られた時(再臨)、「忠実な良い僕」だと言われ、一緒に喜ぶことになるでしょう。しかし、預けられた神の国は置いておいて、まったく関係なく生きていくものは、イエス様が来られた時に叱られてしまうでしょう。
私たちはこの地上の歩みをどのように生きることも許されています。しかし、神の国のために生きる者は幸いです。
2.忠実さと、一緒に喜ぶこと
では、神の国のために生きるのに大切なことは何でしょうか。主人は「お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ(21&23節)」と言って、増やしたしもべを喜びました。
第一に「忠実であること」です。神の国を預けられたのですから、神の国のために忠実に生きることが大切です。忠実さ、は今の時代はあまり人気がないかもしれません。しかし、聖書をとおしてイエス様は忠実であれ、と教えています。
第二に「主人と一緒に喜ぶ」ことを目標に生きることです。イエス様が再び来る時、あるいは天の国に入る時、一緒に「やったぜ」と喜びあえたら最高ではないでしょうか。しかも幸いなことに、この地上からイエス様は共に歩んでくれます。
<思い巡らし>
預かっている神の国に忠実に/やがて来る歓喜の時を待ち望んで