奪うのではなく与える
エレミヤ書19章1~15節 牧師 鈴木光
子ども祝福式があります。エレミヤ書から次世代に残す恵みを確認しましょう。
1.奪うもの
エレミヤの活動した時代はユダの国の末期でした。この時期、歴代の王たちの多くが神様を捨てて、偶像の神様や天の万象(13節)を礼拝していました。特におぞましいことに、エルサレムの都に隣接するベン・ヒノムの谷では、子どもたちの命を奪って偶像の神にささげていました。
神様はエレミヤに言って民の指導者たちと共にその谷に向かわせ、そこで民が恐ろしい滅びにあうことになると告げられました(1~9節)
聖書はこの世界のすべてを(宇宙も地球も)神様が大切に造られたことを教えています。特に私たち人間は極めて良い者として造られました(創世記参照)。しかし、命を与える神様を捨てて、神様に造られたに過ぎないものに従うならば、やがて滅びにつながることも確かに語られています。
2.砕け散った壺
この谷に来るにあたって、神様はエレミヤに陶器師の壺を買ってくるように言いました。そして、谷でそれを砕くように言います。砕けた壺が元に戻らないように、人々も砕かれてしまうことを神様は見せて告げます(10~13節)。
神様から離れ続け、関係が砕けてしまえば、いつか本当に人は砕け散ってしまうことを私たちにも語りかけています。壊れる前に神様のもとに行きましょう。
3.砕けたものさえ癒すキリスト
「ベン・ヒノムの谷」はやがて訛って「ゲヘナ」と呼ばれるようになります。新約聖書の時代では、この言葉が「地獄」をあらわすようになっていきます。
そのゲヘナについてイエス様はこう言いました。「(人を恐れるな)地獄に投げ込む権威を持っている方を恐れなさい。…一羽(の雀)さえ、神がお忘れになるようなことはない。…畏れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている(ルカ12:5~7)」
事実、神様は私たちの代わりに、イエス様をゲヘナに投げすてるように十字架にかけられました。この方を「信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るため(ヨハネ3:16)」です。命を奪う者ではなく与える方を迎えて生き、また次世代に伝えていきましょう。
<思い巡らし>
創造主の神様を信じましょう/イエス様の姿に神様の愛が見えます