神の言葉、人となる

詩編147篇12~20節  牧師 鈴木光

アドベント(待降節)二週目です。イエス様は人となられた神様の「みことば」という表現をされることがあります。今日の詩編でもそのことが表されています。

1.平和の君が来られる
 詩編147篇は「主を賛美しよう」という呼びかけに満ちた賛美の歌です。特にここでは、主が私たちに平和を与えてくださる方だからと賛美を呼びかけます。「国境に平和」「最良の麦」と聞くと、戦争からの平和や飢餓などからの平和といった社会的な平和を思い浮かべます。
 一方で、今日の個所では、さらに大きな平和を神様は用意しておられることが語られています。それは、「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない(ヨハネ14:27)」と言われたイエス様によってはじめて与えられる真の平和のお話です。

2.氷と雪解けの水
ユダヤの土地は決して雪が多い地域ではありません。しかし、不思議と今日の個所では「みことば」であるイエス様と、「雪、霜、氷(16~17節)」といった表現がセットで出てきます。それは寒々しく、冷たい感じがします。
確かに、イエス様が来られる時(来られた時)、そこには冷たさがあります。イエス様の働きの第一声は「悔い改めて福音を信じなさい(マルコ福音書より)」でした。私たちの内にある罪の問題に向き合わなければ、本当の平和はないのだという厳しいことをイエス様はあいまいにせずに語りかけます。

3.主の裁きのゆくえ
 しかし、ユダヤの地でもヘルモン山の雪が解けて水が流れ出すと、栄養を含んだ水が降って来て肥沃な土地が備えられます。冷たさの先に命があります。
 イエス様も「悔い改めて福音を信じなさい」と言いました。罪の問題と向き合った先にあるのは、十字架の福音です。すなわち、私たちの内にある罪の裁きの一切を身代わりになって受けてくださった赦しのことです。
 私たちは平和を祈ります。しかし、真の平和は私たちの根源的な罪の問題が解けてこそ実現するものです。その答えはイエス・キリストにあります。

<思い巡らし>
イエス様の与える平和とは何でしょうか/イエス様は「悔い改めて福音を信じなさい」と言います/イエス様の十字架は私たちに平和を与えます