教えてくれた祈り
ルカによる福音書11章1~13節 牧師 綿引久美子
今日はペンテコステ(聖霊降臨日)です。私たちの日ごとの糧として聖霊なる神様が必要です。
1.主を思い起こす祈り(2節)
『主の祈り』はイエス様が弟子たちに教えてくださった祈りです。『父よ』と呼びかけるところから始まるこの祈りは、父なる神様が私たちの父であることをはっきりと示しています。そして、『父よ』(アバ)は、ユダヤ人の幼児が日常生活で父を呼ぶときの呼び方です。私たちと神様の関係がいかに親密であるかを表しています。また、ここで『崇めます』という言葉は、元々『聖なるものとされるように』という意味があり、聖なる神様に思いを向ける(求める)ことを表しています。マタイにとっての主の祈りは「主が教えてくださった祈り」ですが、異邦人であるルカにとっては「神様を思い起こす祈り」と受け取っていたことがわかります。
2.日ごとの糧は聖霊なる神様(3節)
今日の箇所の前は、「マルタとマリア」の出来事が書かれています。心を乱さずに主と共に過ごすことは、この主の祈りでも引き続いてテーマとなっています。異邦人であった著者ルカは、イエス様から直接主の祈りを教わってはいません。彼にとって神様と共にあるために、日ごと必要な糧は『聖霊なる神様』です。ルカの主の祈りの中心には、「日ごとの糧を今日も与えて下さい」という願いがあります。
主の祈りは、私たちにとって、日ごとの糧を受け取るための、大切なことであり、神の子とされた私たちには必要不可欠な糧なのです。
3.聖霊なる神様を求めよ(9節)
『天の父は、求めるものに聖霊を与えてくださいます』(13節)。
聖霊なる神様を求め、聖霊なる神様を探し、聖霊なる神様の門をたたくことが、私たちに神様が教えてくださったことです。執拗に頼めば、必要なものは何でも与えてくださるとイエス様はたとえ話を通して教えられています。求めれば、私たちのうちにあるからし種一粒の信仰から、聖霊なる神様が御力を現してくださいます。
主の祈りを通して、内に住まわれる神様に日ごとの糧である聖霊なる神様を求めていきましょう。