時を悟れ
マタイによる福音書24章15~28節 牧師 綿引久美子
今弟子たちの質問(3節)に対して、イエス様は弟子たちに応えます。
1.大患難(15,21節)
弟子たちはイエス様に「終末」について、①いつ?②再臨のしるしは?③終末のしるし?と3つのことを尋ねます。その応答が今日の箇所です。終末には、大患難が起こります。しるしは「憎むべく破壊者」が聖なる場所に立つ時です。反キリスト(イエス様を信じないもの)が国を治めるようになったら、ここから大患難が始まるというのです。「聖なる場所」とは神の都エルサレムです。(詩編132:13~14)エルサレムは、歴史を振り返れば様々な国に侵略され支配下に置かれていることが実際に起こっています。「大患難」は、聖書上のことではありません。現実に起こることです。これが「真実」ということです。
2.大患難の只中(16,23節)
イエス様は、「読者は悟れ」と言います。「知る者は良くこれを理解せよ」ということです。大患難だと悟ったなら、「山へ逃げよ」とイエス様は教えます。大患難は、反キリストにとっては、神様の審判が下る時です。一方、神様に選ばれた者(選民)にとっては、神様の回復の時です。反キリストの反撃の矛先は、選民に向かいます。だから逃げよというのです。大患難の期間は、隠されています。そのことを知ったら人は耐えられないからです。
また、イエス様は、「メシヤが来られたと言っても信じてはいけない」と教えます。たくさんの偽物が出現して、大きなしるしや不思議な業を見せても、それは神様からのものではないからです。イエス様の再臨は、誰でもわかる目に見える形で起こります。(29~31節)
3.信じる者の救いの時(22,27節)
救いの時の様子は、たくさんの説があります。今回はこの箇所よりお話します。神様は、選民に対して、イエス様の再臨の前に、大患難から救い上げてくださると言われます。携挙(けいきょ)と言われています。神様はまず、ご自分のために命を落とした者をよみがえらせ、その後、生き残った者を天へ上げて、空中で神様と出会うということです。いつなのかは、明確にされていません。その後再臨が起こり、神の国の回復が完了するのです。
信じることが問われる、私達にとってのチャレンジですが、イエス様の十字架を見上げる時、そのお姿と同じことが再臨の時に起こること、そこに必ずイエス様が共にあることを見出しましょう。イエス様はお独りで越えられました。私たちには、イエス様が一緒です。