内輪もめ

マタイによる福音書12章22～32節　

イエス様が悪霊に取り憑かれた人を癒したことで、ファリサイ派の人たちは、イエス様を罵ります。

１．内輪もめ（25～26節）
　ファリサイ派の人々が、悪霊を追い出したイエス様のことを「悪霊の頭ベルゼブルだ」と言います。これに対してイエス様は一般的な答えとして「内輪で争えば、荒れ果ててしまい、成り立たない」と言います。さらに、悪霊追い出しを行うファリサイ派の仲間がいることを知っているイエス様は「子ら（仲間）は、何の力で追い出すのか？」と言います。仲間同士でもめることは、一般的にも、その場を荒らし、滅びる方向に進んでいき、何かを生み出すことはありません。それは、サタン（イエス様の敵）でもわかることです。

２．すでにある神の国（28節）
イエス様は、ファリサイ派の人たちに真理を教えます。「わたしが神の霊で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたのところに来ているのだ」イエス様は神の霊によって悪霊を追い出しています。そして神の霊がおられるところこそ神の国です。神の国は神の支配にあるところで、私たちがイエス様を救い主と告白すると、神の霊が私たちの内に住んでくださるのです。神の国は、神の平安があります。平和の君であるイエス様の霊が住まわれるところには、内輪もめはありません。聖霊によって守られた、神の国だからです。

３．人のことと神様のこと（31～32節）
「人の犯す罪や冒?は、すべて赦されるが、霊に対する冒?は、赦されない。」
イエス様は言いました。内輪もめという目に見える出来事を通して、イエス様は、見えない彼らの考えに目を留められました。内輪もめは、私たちの中で起こります。私たちの見えないところで、霊的な戦いが繰り広げられているのです。私たちは、自分のわかる部分でしか物事を理解できませんが、見えないところで信仰が働き、神様を信じるところから、行動や思考が起こってくるのです。
　私たちが信仰を告白するのも、神様に聴き従おうとするのも、隣人を愛そうとするのも、私たちの内に住まわれる聖霊なる神様の働きがなければできません。神の平和に生きる人となりましょう。内輪もめでは、聖霊なる神様の働きの内にはありません。