ただ、ひと言で
マタイによる福音書8章5~13節
イエス様は多くの病人を癒しました。今日の個所では中風(マヒや痺れを伴う病気)に苦しむ部下を持つ百人隊長が、イエス様に助けを求めてやってきます。
1.近づいて来た異邦人に
イエス様が多くの時間を過ごしたカファルナウムの街で、一人の百人隊長が近づいて来ました。そして、自分の部下(しもべ)が「中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言います(5~6節)。
百人隊長は異邦人で、ユダヤ人は異邦人とは距離を置いて付き合っていましたが、イエス様はすぐに「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われました(7節)。
イエス様は苦しみを知っている方です。そして、イエス様は特定の国や地域の救い主ではなく、救いを求める者すべてに必ず応えてくださる方です。
2.ただ、ひと言で
来てくれるというイエス様に、百人隊長は意外な返事をします。「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません(8節)」と言うのです。この後の言動を見ると、彼は自分が異邦人であるからという遠慮だけではなく、イエス様を全能の主として信じていたからこその言葉であると分かります。
百人隊長は続けて「ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます(同)」と言いました。彼は自分が「百人隊長」であるからこそ、「権威」というものをよくわきまえていました。指揮官に部下が必ず従うのは、権威が与えられているからです。同じように、「すべての主であるイエス様」がただひと言くだされば、そうなる、と信じたのです。
「あなたをお迎えできるような者ではありません」と言った百人隊長の言葉は、単なる遠慮や礼儀ではなく、彼の「主を心から畏れる(おそれる)」確かな信仰からくる言葉だったのです。
あなたはイエス様を何者だと信じているでしょうか。全能の主として信じて助けを求める人は幸いです。「あなたが信じたとおりになる」とイエス様は言います。
<思い巡らし>
1.今、あなたには苦しみがありますか。
2.イエス様は何者ですか。
3.あなたはどんなひと言を求めていますか。