心貧しい者の幸い

マタイによる福音書5章1～12節　

山の上で、そばに集まった弟子たちに、イエス様は口を開き、教え始めます。

１．すべてを失っているあなたに
「心の貧しい人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである(3節)」
この衝撃的な一言で、イエス様のメッセージは始まります。私たちの生きている世界は、豊かなものが幸せで、貧しいものは不幸だと考えられています。しかし、イエス様は貧しい者が幸いだと言うのです。
「心」と訳されていますが、直訳では「霊が貧しい人々」です。人には体と心のほかに「霊」があります。世界が造られ、人間も造られた時に、人にだけ特別に神様から吹き込まれた命そのものが「霊」です。この霊において人は神様と関わり、本来の価値ある姿で生きることができます。しかし、アダムとイブ以来、人は神様から離れて生きるようになってしまいました（これを聖書で罪と言います）。霊的な仮死状態です。すべてもっていた者が、すべて失ってしまいました。究極の貧しさです。それは誰の話でしょうか。私であり、あなたです。

２．すべてを取り戻す幸い
　あなたは幸いだとイエス様は言います。なぜなら、天の国があなたのものだからです(3節)。ただ一つのきっかけは、貧しいことに気づくことです。これを読んでいるあなた、これを聞いているあなたは気づいた人です。
　ただ一つ気づいた人がすべきことは、天の国を受け取ることです。天の国とは、神様が支配されるところを意味しています。つまり、あなたが神様をもう一度、自分を造られた主だと信じて、人生の主人として迎えることです。
　その時、あなたは神様の持つすべてを受け継ぐ子どもとなります。

３．たった今、そしてやがて
　完全な天国は地上の歩みの先にありますが、あなたが神様を主と迎えたなら、あなたの内に今この瞬間から天の国が始まります。あなたはこの世の誰よりも豊かなものになるのです。

＜思い巡らし＞
心の貧しさを知っていますか、天の国を受け取りましょう。