天国は買えない

ルカによる福音書１２章１３～２１節

ある人の心の内に「貪欲」の問題があることを、イエス様は見つけました。

１．貪欲に注意しよう

イエス様は「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい(15節)」と教えました。貪欲とは、満足することなく「もっと、もっと」と求めることを言います。しかし、その本質は「神様を認めないで自分のためだけに生きること」です。イエス様はそのことを「愚かな金持ちのたとえ(16～20節)」で教えました。

ある金持ちが多くの収穫を得て、それを「わたしの財産」と呼んで自分の余生を遊んで暮らすために用いようと計画しました。彼の考えの内に神様への感謝はおろか、その存在すらありません。

　聖書は「貪欲は偶像礼拝にほかならない(コロサイ3：5)」と言い、実は最も恐ろしい罪の一つだと教えています。このたとえ話の金持ちにとっては自分自身が神様であり、全てのものは自分のためにあると考えています。まさに自分を偶像として礼拝する生き方の象徴なのです。

 

２．人の命は買えない

たとえ話の最後は皮肉に満ちた結末です。これから遊んで暮らそうと計画したその夜に、神様は「今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか(20節)」と語ります。このたとえは、収穫も、財産も、そして命ですら自分の手のうちにあると考えている人に、それは「いったいだれのもの」であるかを語りかけているのです。命は買えません。そして、命だけでなく、全ての物の本当の主である神様がおられることを知らないのは虚しいことです。

 

３．天国は買えない

お金や財産があることが悪いという話ではありません。「自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ(21節)」とイエス様は最後に述べます。与えられたものを自分のために積み上げても、それで天国を買うことはできません。しかし、天国の主である神様の前に豊かに生きる人は幸いです。

＜思い巡らしてみましょう＞

貪欲がないか吟味しましょう。与えられたものをどう使いますか。