よいサマリア人

ルカによる福音書１０章２５～３７節

イエス様は「よいサマリア人」のたとえ話で、人を愛することを教えました。

１．天国の鍵は愛

　人気者のイエス様を試そうと質問をしてきた聖書の学者がいました。この学者は永遠の命を得て天国に行くには、神様を全力で愛し、自分を愛するように人を愛することが必要だと考えていました。イエス様はそれを否定することなく、むしろ「それを実行しなさい」と言われました（25〜28節）。それはイエス様を試そうとした学者にとって、むしろ自分の生き方を試されるような厳しい一言でした。そこでムキになって思わず口をついた「では隣人とは誰か」という問いに対して、イエス様はこの「よいサマリア人」のたとえ話をしたのです。天国の永遠の命を得る鍵は「愛」です。しかし、それは単に他人への好き嫌いの感情ではありません。

 

２．隣人になりなさい

　たとえ話にはユダヤ人とサマリア人が出てきます。お互いに敵対し合う民族ですが、強盗にあってボロボロになったユダヤ人を、祭司や神に仕える人は見て見ぬ振りをしたのに対して、通りがかったサマリア人だけが愛をもって助けました。話の終わりにイエス様は問いかけます。「だれが隣人になったと思うか（36節）」

　イエス様は「隣人とは誰か」という問いに対して、「隣人とはあなたがなるものだ」と教えたのです。好きな人を隣人だと思って愛することは誰でもできます。しかし、隣人を愛するとは「敵」だと思うような相手の隣人となることなのです。

３．そんなことができるのか

　本当に敵を愛することなどできるのでしょうか。そう考えてみると、天国に入るのは絶望的に感じられます。しかしイエス様には隣人になれない私たちを天国に入れることができます。実は、この「よいサマリア人」はイエス様の生き方そのものでした。神様もイエス様も信じることなく、無関心に、あるいは敵意さえ持って生きる私たち一人ひとりの罪を赦すために十字架にかかった生き方です。このイエス様の愛を受けてはじめて私たちも隣人を愛する一歩を踏み出すことができます。

＜思い巡らしてみましょう＞

イエス様のあなたへの愛を深く思い巡らしてみましょう