兄弟の不仲は厄介

民数記20章14~21節

約束の地に入るにあたり、モーセはまずエドム人の領内を通りたいと交渉します。

1.礼を失せず

エドム人はイスラエルの民にとって遠い親戚関係にあります。それぞれの祖先ヤコブとエサウが兄弟であったからです。そこで、モーセは「あなたの兄弟であるイスラエルはこう申します(14節)」と言って、彼らの領内を通れるよう頼みます。

兄弟関係とはいえ、モーセは丁寧に理由を説明し(15節)、悪意がないことを示し(16節)、不利益を与えないことを約束して(17節)、お願いをしています。

この出来事は、イスラエルの民にとって、エジプトを脱出して以来、最初の他者とのやり取りです(これまでは自分自身の成長と、神様との関係を築くための時間)。それはまず、家族(兄弟)との関係を象徴する相手とのやり取りでした。そこで、モーセは家族とは言え、気安く迷惑をかけるのではなく、礼を尽くして関係を築くことを試みました。愛は「礼を失せず」とある通りです(Ⅰコリ13:5)。

2.兄弟の不仲

しかし、残念ながらエドム人の反応は敵対的でした。領内を通過するのを許さないだけでなく、軍勢を率いて迎え撃つ構えを見せました(18~20節)。エドムの人々はイスラエルの民を警戒し、恐れていたのです(参考:申命記2章)。イスラエルの民は忍耐強く説明をしますが(19節)、誤解を解くことはできませんでした。

他人との関係で、誤解や恐れはしばしば起こるものです。そんな時は敵対心に敵対心を燃やすのではなく、忍耐強く説明しなければなりません。それでもうまくいかない「時」があるということも覚えていなければなりません。

 

3.争わず厄介は主にゆだねる

結局、イスラエルの民はエドム領を迂回することになりました(21節)。この後、異民族との戦いがありますが、神様はエドム人と戦うことは許しませんでした。それは、彼らにも神様の計画があるからです(申命記2章)。主にある兄弟姉妹は、よい関係を築くために努力し、後は主にゆだねます。そこにも恵みの計画があります。

 

<思い巡らしてみましょう>

家族関係、教会の人間関係、いずれも主の愛によって築きましょう。