エレミヤ、畑を買う
エレミヤ書32章1~15節 牧師 鈴木光
ユダ王国が滅びる直前、エレミヤは臆することなく神様の預言を伝えたので、ゼデキヤ王に捕らえられて宮殿の獄舎に拘留されていました。(1~5節)
そこに神様の導きで、いとこのハナムエルが故郷アナトトにある畑を買い取ってほしいとエレミヤを訪ねて獄舎に来ます。エレミヤは神様に言われたとおりに畑を買います。そして、この行動はやがて「主が、『この国で家、畑、ぶどう園を再び買い取る時が来る』」という回復の約束なのだと語ります。(6~15節)
1.愛されている者が、それを認めず自らを無価値に落とす
なぜ土地が無価値になる滅亡直前に畑を買わせるのか、とエレミヤ自身も困惑します。しかし、自分たちユダヤの民が神様から愛され、特別な計らいを受けてエジプトから約束の地に来たのに、すっかり神様を捨てて偶像礼拝にふけっていたことを祈りの中で示されます(21~23節、33~35節)。
愛されているのにそれに気づかずに自分を無価値なものに陥れてしまうのは、時代も場所も民族も問わず、私たち一人一人に共通していることです。聖書はこの神様の愛から離れて無価値に陥る状態を罪と呼んでいます。あなたは自分の価値を見失っていませんか?
2.主は関係を回復される
しかし、一度滅んで無価値となった土地に、再び価値が戻ってくるように、神様はもう一度ご自分とユダヤの民との関係を回復することを宣言します。
「彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる(38節)」と、かつて一度約束したものの、民があっさりと捨て去った約束を再び神様は語ります。この新しい約束(新約)は、今、イエス様の十字架と復活をとおして私たちにも与えられています。あなたは無価値なものではなく、命に代えても守りたい主の大切な存在なのだとイエス様は宣言しているのです。
3.永遠の価値を回復した私たち
さらに、その約束は「永遠の契約(40節)」だと言います。エレミヤは畑を買うことをとおして「この国で、人々はまた畑を買うようになる(43節)」という神様の約束を聞きます。そこには滅亡して荒廃した世界ではなく、人々の活き活きとした命の風景があります。イエス様も復活をとおして、私たちを天国でご自分と永遠に共に生きるものへと招いておられます。
<思い巡らし>
価値を見失ってる?/十字架の命の価値/永遠の命への招き