見極める目

ルカによる福音書12章54~59節  牧師 鈴木光

イエス様が群衆に向かって語りかけます。

1.時を見極める
人々が雲や風の様子から今後の気候は読み取れることに触れて、イエス様は次のように言われました。
「偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか(56節)」
偽善者と訳されている言葉の語源は当時のギリシア劇の仮面をつけた役者たちのことです。外面と実際の内面の違いがある人のことを言っています。天候は見分けることができて賢そうでも、時のしるしを見極めてこれからどうするべきか考えられない愚かさを指摘しているようです。
では、現在の私たちはどんな時に生きているでしょうか。聖書によれば、今は終わりの時に向かう時代であり、同時にイエス様が救いを与えてくださって私たちは受け取るだけの時代です。

2.神様との和解の時
続けてイエス様が語るのは、自分を訴える人がいるならば裁判官の前に出る前に仲直りをしなさいということです(58節)。
直前の「時」の話と合わせて考えれば、終わりの審判の時に神様の前に立つ前に神様との関係を回復しなさいという呼びかけになるでしょう。
「仲直りする(58節)」という言葉を直訳すれば「赦される」です。神様と向き合わない今までの生き方から悔い改めて(向きを変えて)、イエス様の赦しを受け取って神様と和解したものとなりましょう。今は神様との和解の時です。

3.人との和解の時
また、既に神様と和解したものにとっては、ここでイエス様が語っている、人と和解することはそのままの意味でも受け取るべきです。すなわち、神様が赦してくださっているように、互いに赦し合うことです。
「あなたがたは、何が正しいかを、どうして自分で判断しないのか(57節)」とイエス様は言われます。それは自分の正しさを振りかざせと言う意味ではありません。誰もが薄々気づいているように、聖書に語られている神様の正しい教えに応答するようにという招きの言葉です。神様と和解し、人と平和を築きましょう。

<思い巡らし>
今は終わりに向かう時/神様との和解の時/人との和解の時