思い悩むな

ルカによる福音書12章22~34節  牧師 鈴木光

ルカの福音書から。イエス様が「思い悩むな」と弟子たちに語りかけます。

1.思い悩むな
イエス様が「命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな(22節)」と言われます。続けて、烏は畑を耕すわけでもないけど神様は養ってくださるし、野の花も働いているわけでないけど美しく装われることをたとえとして話します(24~28節)。そして、こう言われます。「まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者よ(28節)」
信仰の薄い、とは文字どおり「少ない」という意味です。私たちは「神様を信じる」という時に無意識に信じる範囲を目に見えない部分や人の力を超えたこと(たとえば天国とか命とか、体の健康とか)にだけ限定することがあるかもしれません。しかし、神様はこの世界の造り主で、鳥や花をも慈しむ方です。まして、神様はあなたのことをその生きる歩みすべてにおいて関わってくださる方だということです。細かい悩みは自分でと制限するのではなく、すべての面で神様に信頼しましょう。

2.神の国を求めなさい
衣食住がまず足りてこそ…、と考えるのは「世の異邦人が切に求めていることだ(30節)」とイエス様は言います。これはバカにして言っているのではありません。私たちと同じく異邦人だったルカがこの言葉をわざわざ記録しているのは、その考え方の世界に生きる者だからこそ(!)、あなたはそれに縛られるのではなく「ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる(31節)」と強調しているのです。つまり、神様との関係を第一にして生きる時に、かえってこの地上の生活の必要が与えられていくという約束です。

3.あなたの心のあるところ
実はこの話はその前からの話とつながって語られています。この直前にイエス様が話していたのは「愚かな金持ちのたとえ(13~21節)」でした。そこでは、どれだけ地上の財産を増やしても、神様との関係が豊かでない人は本当の意味では豊かではないということが語られていました。今日の個所も「あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ(34節)」としめられます。それは神様の国が貨幣経済という意味ではなく、この地上のものに縛られず、いつも神様の前に心を置いて生きることの教えです。心を神様のもとにおいて歩みましょう。

<思い巡らし>
何を思い悩んでますか/まず求めるべきは/心はどこにありますか