「何も持たずに出かける

ルカによる福音書9章1~9節  牧師 鈴木光

イエス様が教会に与える使命とその実践について語り聞かせます。

1.私たちに与えられているもの
イエス様の12人の弟子たちは、やがて最初の教会になります。彼ら(つまり私たち)に与えられる使命は「行ってすべての民をわたしの弟子にしなさい(マタイ28:19)」です。そのためにも今日の個所では「福音を伝えること」と「病人をいやすこと」が具体的に語られています(1~2節)。
信じるべき良い知らせがわからなければ信じようがないので伝えること。また、その知らせが現実のものだと理解できるように、具体的な癒しを体験できるようにすることを言っています。
そのために必要な力もイエス様は与えると言っています。私たちはこの使命と果たすための力の両方が既に与えられていることを自覚して、福音を知らせ、癒しと回復を祈るものになりましょう。

2.何も持たずに出かける
次にイエス様は具体的なやり方についてもお話しします(3~6節)。第一に、何も持たずに出かけるということです。体を支える「杖」も、途中で手に入るものを入れる「袋」も、食べる「パン」も、「金」も、下着の予備すらいらないと言います。もちろん、計画をたてることや祈ることは不可欠ですが、物に頼るのではなく、主に頼って遣わされたところに出かけることが第一歩です。
第二に、遣わされたところで迎えてくれる人がいたら、そこにとどまって、そこからイエス様を伝え、癒しを祈ることです。イエス様に対して心開かれ、渇きがあり、リーダーとなる平和の子を見つけたらそこにとどまります。
第三に、拒まれたら素直に出て行くことです。「足の埃を落とす(5節)」というのは、伝える責任を果たしたのであとはイエス様とその人々の問題ですという意味のアクションです。イエス様の話を聞いていない人はたくさんいますので、執着しないで次に進みなさいということです。

3.この方は誰
領主のヘロデはイエス様のうわさや弟子たちの働きの話を聞いて、「いったい、何者だろう(9節)」とイエス様に会いたくなりました。イエス様自身がすごいのですが、そのことを伝える一助に私たちもなることができます。

<思い巡らし>
使命と与えられた力とは/あなたはどこに遣わされていますか?