若者にすぎないと言わないで

エレミヤ書1章1~10節  牧師 鈴木光

(新約ルカと並行し)旧約聖書エレミヤ書を順に読んでいきます。エレミヤはユダ王国が滅亡するまでの最後の40年間に活動をしていた預言者です。預言者とは文字どおり神様から言葉を預かり、人々に告げる働きです。激動の時代に世の力に頼るのではなく、神様に立ち帰って信頼することを、命を懸けて伝え続けました。今日はそんなエレミヤが最初に神様から召命を受けた出来事を読んでみましょう。

1.若者にすぎないと言うな
 神様はエレミヤに「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。…生まれる前からわたしはあなたを聖別し…預言者として立てた(5節)」と宣言します。神様は計画をもっておられます。それは筋書きが決まった運命のようなものだと言いたいのではなく、この時代、この場所にあなたが意味があって生まれたのだということを告げています。
 エレミヤは預言者の役割を神様から与えられます。彼自身は「わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にすぎませんから(6節)」と拒もうとします。自信がないからなのか、自分の思い描いた道と違うからなのか、事情はわかりませんが断ろうとします。しかし、神様はシンプルに「若者にすぎないと言ってはならない」と言い、エレミヤが勝手に自分を決めることをやめさせます。人生は思うに任せず思っていたのと違うことがしばしばですが、主にあって意味と価値があることを知る人は幸いです。

2.行って語れ、恐れるな
 続けて神様はエレミヤに命じます。「行ってわたしが命じることをすべて語れ。彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて必ず救い出す(7~8節)」
 イエス様が私たちに語りかけていることと同じです。行ってすべての民を弟子としなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいると。

3.主の言葉の権威
 そして最後にエレミヤの口に触れ、「見よ、わたしはあなたの口にわたしの言葉を授ける…諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる(9~10節)」と言います。
 エレミヤはこの後、実際に指導者や人々に語り多くの攻撃を受けます。その姿は一見、弱々しく見えますが、しかしすべて彼をとおして神様が語られたことが実現
していきます。神の言葉は生きていて力があります。そして今日も語られています

<思い巡らし>
自分を決めないで/行って語れ、恐れるな/主の言葉の権威と力