神様の呼ぶ声

創世記１２章１～９節 　牧師　綿引久美子

「信仰の父」といわれるアブラハム。彼の人生には、神様の約束を信じて神様の呼ぶ声（召命）に従う姿があります。後にその約束はイエス様により成就します。

１．召命って何？（1～3節）
　神様は、アブラハムをお選びになり、呼びかけました。『わたしの示す地に行きなさい。』（１節）これはアブラハムの召命の言葉といわれています。アブラハムはこの神様の呼ぶ声に応えて、理由も行先も知らされないまま、家族と共に出発しました。『召命』とは、「神様がご自分の計画のために、選んだ人にかける個人的な呼びかけ」であり、「神様からの使命」が語られます。これは選ばれたあなたに語られているのであって、ほかの人には関係しない神様の呼びかけです。しかも、語られる内容は、ほんの一部で、語られた人は、決断が必要になります。『召命』は、「だれを信頼して、どうするのか？」がとても重要になってきます。

２．祝福って何？（2～3節，7の「　」節）
　神様は、アブラハムに対して、使命と共に、祝福の約束を語りました。その祝福は3つ、①大いなる国民にすること②あなたの名を高め、祝福の源とすること③子孫にまで祝福の場所を与えること、です。使命は、あなたを選んで与えますが、祝福は、その呼ぶ声に応えたあなただけにあるものではなく、あなたの周りにもたらされることが約束されています。願った人だけの思いが叶う、ご利益宗教ではありません。神様は、あなたをとおして、この地上を祝福されるのです。この約束はすでにイエス様が来てくださったことによって成就されていますから、イエス様を信じて歩む人たちの周りには、神様の祝福がもたらされています。あなたの人生は、あなたの愛する家族や友達、あなたの置かれたところに祝福をもたらしているのです。神様にあっては、大きな意味のある尊い存在です。

３．神に呼ばれたあなた（6～8節）
　アブラハムは、呼びかけに応えて、示された土地（カナン）に向かい、そこに到着すると、祭壇を作りました。ここが祝福の土地で、アブラハムに与えられた場所です。しかし、そこは異教の神々を信じる人たちが住んでいる土地で、とても祝福とは無縁に見えるところです。しかも、アブラハムは老人で、子供もいません。それでも、自分を呼んでくれた神様を信じ、その神様の御名が呼ばれる場所を築いていきました。神様からの祝福の基となる足跡を残していったのです。
　『信仰に生きる人生』は、神様を信頼し、人生のかじ取りを神様に任せて、いつも神様が一緒にいる人生です。そこに神様の祝福があります。