仕える人になる
マタイによる福音書20章17‐28節
エルサレムに向かうイエス様が、三回目の「十字架と復活の予告」をしました。
1.仕える者になりなさい
ところが、この話を素通りするようにして、二人の弟子とその母親が来て、「イエス様が王座に就く時に、二人も要職につけて欲しい」と願いました。おそらく、エルサレムでイエス様がクーデターでも起こして、ユダヤ人の国を復興させるといった想像をしていたのでしょう。
イエス様は応えて、「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい(26~27節)」と教えました。
仕える者になりなさい。これが今日もイエス様から語られていることです。
2.二つの世界のはざまで生きる
イエス様は「(神様を信じない)異邦人の間では」権力者が支配するけれど、「あなたがたの間では」仕える者が一番偉いと言われます。神様のいない(神様を認めない)人々の世の中では、ただ人同士がそれぞれの価値を決め合っていきます。しかし、私たちは神様の価値観によって生かされているものですから「そうであってはならない(26節)」のです。
私たちは神の国の住人でありつつ、この世の中の住人でもある、二つの世界のはざまで生きるものです。大切なのは、目に映る人間の価値観に流されないで、しっかりと神様の愛に根差して生きていくことです。
3.十字架と復活が世界を変えた
一方で、普通の人間の願望に従えば、人より偉くなりたいものでしょう。イエス様に「何が望みか(21節)」と聞かれて王座に近い地位を求めた弟子と母の願いは、人として理解するのは簡単です。それでも逆に「仕える者になる」ことを私たちが求めるのは、イエス様が「仕えられるためではなく仕えるために」そして十字架にかかって私たちのために命をささげてくださったからです。このイエス様の十字架と復活が私たちの世界を変えてくれました。「何が望みか」と問いかけられた時に、この十字架のイエス様に応答することを求める人は幸いです。
<思い巡らし>
仕える者になりなさい/二つの世界の価値観/十字架に応えて