これしかない?
マタイによる福音書14章13‐21節
「パン五つと魚二匹」をイエス様が配ると、五千人以上の人が満腹するという、全福音書に共通して出て来る奇跡の記事です。
1.後を追う赤ちゃんのように
洗礼者ヨハネが殺害されたことを聞いて、イエス様は人里離れたところに移動します。しかし、群衆はお構いなしに「方々の町から歩いて後を追った(13節)」と言います。親について回る赤ん坊のように、群衆はイエス様の後を追いました。
そんな彼らを見て、イエス様は「深く憐れみ、その中の病人を癒され」ました(14節)。イエス様は「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう(11:28)」と言われる方です。私たちも、赤ん坊のようにこの方のもとに行きましょう。
2.「これしかない」?
なかなか帰らない群衆を見て、弟子たちは「解散させてほしい」と提案します。ところがイエス様は弟子たちに「あなたがたが彼らに食べるものを与えなさい(16節)」と言いました。正直、いわゆる無茶ぶりに思えます。それで正直に弟子たちは「ここにはパン五つと魚二匹しかありません(17節)」と応えます。ところが、イエス様がそれを取って祈り、配ると五千人以上が満腹して、余ったものはあふれるほどでした。
人の目には「これしかない」ものも、イエス様の手にお渡しするなら、それは人々を満たし、あふれるほどになります。持ち物でも、能力でも、人は「これしかない」と言いますが、それをイエス様の前に出すとき、主の力が働きます。
3.あなたがたが
イエス様は「あなたがたが…与えなさい」とチャレンジしました。それは、「共に働く」ことへのイエス様の招きです。いつか余裕ができたらイエス様に従えるのではなく、今そのままでイエス様の招きに応えることができます。私の弟子になりなさい、とイエス様は招いています。それは光栄で、嬉しい呼びかけです。
<思い巡らし>
赤ん坊のように素直にイエス様のもとへ出ましょう/これしかない、と思っていませんか/共に働く者となるように招かれています。