系図の意味

マタイによる福音書1章1~17節

今日からマタイによる福音書を順に読み始めていきます。最初は新約聖書のいきなりの難関と言われる系図です。

1.マタイによる福音書の特徴

1〜17節にかけて、実に42代にわたるユダヤ人の系図が文章で記されています。カタカナが並んで、私たち日本に住む多くの人には意味不明な個所です。

 読み解く鍵は、このマタイによる福音書を「誰が」「どんな意図で」書いたのかを知ることにあります。著者の使徒マタイはユダヤ人で、同族のユダヤの人々にイエス様を信じてもらいたい、と強い情熱を持っていたことが分かります。

ユダヤ人にとって最も大切なことは、神様が父祖アブラハムに約束を与え、その信仰を通してユダヤ人を御自分の宝の民とされたことでした。ですから、「アブラハムの子…、イエス・キリストの系図(1節)」と読んだ瞬間に「これは私(たち)の話だ!」と耳を傾けようとなるのです。

2.約束の系図

 となると、ユダヤ人ではない私たちにとっては「関係のない話」になるでしょうか。いいえ、そんなことはありません。これは「アブラハムの子…、イエス・キリストの系図」なのです。アブラハムに与えられた約束(土地と子孫)が、イエス・キリストによって、「あなた」にも「天国の地」と「神の子とされる」新しい約束として与えられると聖書は語っています!

3.信仰の系図

この約束は神様が造られたすべての人に等しく与えられています。私たちに必要なことは、信仰によって受け取るということです。

この系図は信仰の系図です。それはユダヤ人も異邦人も、男も女も、あらゆる立場の人々も含んだ系図で、しかも私たち同様に決して完全無欠ではない罪人の、しかし信じた人々の信仰の系図です。あなたもこの神様の系図に招かれているのです。

<思い巡らし>

イエス様を信じる人は皆、天国に住む神の子とされます。