占星術の学者たち

マタイによる福音書2章1~12節

 クリスマスが来ると必ず読まれる今日の個所は、イエス様の誕生を最初に知らされた人たちのことが描かれています。厳しい環境下で生きる羊飼いたち、そして東方の占星術の学者たちです。今日は「占星術の学者たち」にフォーカスを当てて、クリスマスでなく、「神様に招かれ応えた人の姿」を見ていきたいと思います。

1初めの礼拝者は異邦人(1節)

 イエス様は、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになりました。旧約聖書(ミカ5:1)の中で預言されていることです。ヘロデという王がいるのに「ユダヤの王」が神様のご計画の中で天より与えられる、しかもそのことを知らされたのが東方の占星術の学者たちです。神の民として選ばれていたユダヤ人ではなく、当方の国の異邦人であった。この著者であるマタイは、それをユダヤ人に向けて書いています。イエス様の誕生の時、すでに異邦人が神様を礼拝する民となることが始まっていたのです。彼らは、イエス様を探し求め、幼子のイエス様を礼拝します(11節)この地に来られたイエス様を最初に礼拝したのは異邦人です。

2.星が知らせたユダヤの王(2節)

 「東方でその方の星を見たので、拝みに来た」学者たちは、目に見える王であるヘロデ王にそのことを告げます。異国の土地にまで輝きを放ち、救い主、真の王の誕生を知らせたのは、「特別な星」でした。星のことは、「ひとつの星がヤコブから進み出る」(民数24:17)と旧約聖書に記されています。また、彼らは星のスペシャリストです。彼らの心を鷲掴みする「星」が、イエス様との出会いを誘います。

もちろん彼らは、その誘いに応えてついていくのです。

3.星に導かれて(9節)

 彼らは、純粋に救い主を求めて、自ら進んでイエス様のところへ行ったのではありません。心の大部分は好奇心だったかもしれません。しかし「星を見て拝みにいった」いいかえれば、星の記したユダヤの王に、礼拝を献げるために行ったのです。神様の心は、寛大で赦しに満ちています。神様の招きには、何の条件もありません。からし種一粒(ほんの少し)の信じる気持ちがあるなら、それでいいのです。

小さな信じる気持ちを大切にして、イエス様の手を握れたら、あとは、神様が手を引いて一緒に歩んでくださいます。それが「信仰」です