伝統的プロテスタント信仰に根づく教会です

ヨハネによる福音書13章31~35節                                  

 『互いに愛し合いなさい』私たちにとってはなじみ深い御言葉です。あまりにも知られ過ぎて、この御言葉だけが独り歩きしてしまうほどに、私たちを励まし、心を温かくする素敵な御言葉です。しかし、今回は受け取る私たち側で御言葉を想うのではなく、イエス様側からこの御言葉に、心を寄せたいと思います。

1.裏切りの中に置かれた新しい掟

 今日の箇所の前後に目を留めると、箇所の前にはユダの裏切りの記事が、後にはペトロの裏切りの記事が置かれています。その間に、新しい掟が語られています。ユダの裏切りは、旧約の預言の成就ではありますが、その出来事は弟子たちにとって、衝撃的なひどい裏切りでした。イエス様は自分を裏切るユダに、「自分のなすべきことをせよ」と声をかけます。唾を飲むのも躊躇するような、重く、居たたまれないその時は、夜であったと記されています。世の光が失われようとしているその暗闇での出来事の後、イエス様は新しい掟である『互いに愛し合いなさい』を弟子たちに教えるのです。

2.人の救いと神の栄光(31~32節)

 裏切り者のユダが去った後、イエス様はこれから起こる悲劇的なこと、弟子たちにとっては、絶望的な出来事を、彼らに率直に伝えます。イエス様が十字架刑によって死なれるご自身の悲劇を「神の栄光」と語ります。しかも子なるイエス様と父なる神様との両方の栄光だと言われるのです。神様は、死ぬほどに人を愛しておられました。神の栄光であるイエス様の十字架の死は、私たちを救う「神の愛」のすべてです。「神の愛」、イエス様の命を懸けた犠牲を伴う愛によって、私たちの救いが完成していることを今一度心にしっかりと留めたいと思うのです。

3.互いに愛し合いなさい(34節)

 神の愛を受けている私たちに与えられた新しい掟、それが『互いに愛し合いなさい』。イエス様に倣って、神様からいただいた神の愛によって『互いに愛し合う』それが、イエス様を信じる私たちの目指すところの愛なのです。そして、そのことを心に留めて歩む私たちが、神様に属する者として生かされる「キリストの弟子」の姿なのです。

 「神様の愛が私の心に宿りますように」と祈るところから始めていきましょう。