ろばに乗った王様
ヨハネによる福音書12章12~19節
エルサレムの街に来たイエス様を、過越祭で集まった大勢の群衆は大歓迎します。
1.「人々の期待」と「真の救い主の姿」
イエス様を見て群衆は、なつめやしの枝を持って(12節)、「祝福があるように、イスラエルの王に(13節)」と叫んで熱狂的に歓迎をしました。この歓迎の仕方と言葉は、当時のユダヤの文化や背景を考えると、彼らが「救い主」は「ローマ帝国を倒して自分たちの民族の国を復興させてくれる英雄」と思っていたと分かります。
しかし、その期待を完全に裏切るようにして、イエス様は軍馬ではなく、みすぼらしい「ろばの子」に乗ってやってきました。それは旧約聖書で語られている、「平和」の救い主の姿でした。事実、戦ではなく、自らが十字架にかかって死ぬこと、私たちすべての人間をおびやかす「罪と死」から私たちを救われました。
2.謙遜な王
ろばの子に乗る姿には、たかぶることなく(ゼカリヤ9:9)、謙遜なイエス様のご性質もよく表されています。イエス様は「王」として来られましたが、それは私たちのイメージする王や権力者の姿とはまるで逆のようです。
主なる神様は私たちのために人となりました。しかし、それはきらめく宮殿の王子としてではなく、飼い葉桶の中に眠る貧しい赤ちゃんの姿に始まりました。そして、終わりは十字架の上で人のねたみと罪を一心に負って死なれました。子ろばに乗ってやってくるのが、私たちの「王」であるイエス様です。
3.あなたの王
群衆は「イスラエルの王」だと言ってイエス様を迎えました。ユダヤ民族の復興を願っていました。しかし、イエス様はユダヤ人もそうですが、私たちすべての造られた一人ひとりの王として来られました。あなたの王は、子ろばに乗って来られました。この方を迎えて、新しい一週間を歩みだしましょう。
<思いめぐらしてみましょう>
①「救い主」にどんなイメージを持っていますか? ②イエス様の「謙遜」「平和」な姿にどんな感想を持ちますか ③イエス様は特定の人の主ではなく、すべての人の「王」だと言います。あなたはどう感じますか。