故郷へ帰る

 創世記 31章1節~21節

 神様の呼びかけに応え、日々異国の土地で伯父に仕えつづけたヤコブ。その時の中で、ヤコブは変えられていきます。そして、神様の約束の時を迎え、ヤコブは故郷へ戻るようにと、神様に告げられます。

 

1.人は変わる(2節)

 「態度が変わった」。故郷を追われ、孤独なヤコブを温かく迎えた伯父のラバンでした。しかし、20年の時が過ぎた時、ヤコブを奴隷のように扱い、自分の私腹を増やすことに心もえる伯父へと変わってしまいます。しかし、神が共におられるヤコブは、そのような苦境の中にあっても、どんどん豊かになり、財産は増えていきます。私欲に心奪われるラバン、そして神様に変えられたヤコブ、人は日々何に心をおいているかで変えられていきます。

 

2.変わらぬ神様の約束(3節)

 すべてをご存じの神様は、ヤコブに語ります。「あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」すぐにヤコブは妻であるレアとラケルにこのことを告げます。ラケルとレアは、父が娘である自分たちにも冷たくなったことを告げ、「他人」と言い、ヤコブと共に故郷のカナンへ帰ることをヤコブに告げます。ヤコブはずっと神様に守られ、苦しい中でも祝福を受けて過ごすことができました。ヤコブは神の祝福を全て携えて、故郷へ帰ることを決心します。神様と交わしたベテルの約束(28章)は20年の時を過ぎ、ここで果たされるのです。神様の約束は絶対です。

 

3.永遠の主(19~20節)

 ヤコブは、こっそりと妻たちと共にすべての財産をもってラバンのもとを離れます。じつはこの後、ラバンはヤコブを追いかけてきます。妻ラケルが父の神の像を盗んだことがラバンの気持ちをさらに逆なでます。しかし、ヤコブと共にある神様は、異教の神様を信じるラバンに「ヤコブを非難しないように」警告するのです。その結果、ラケルがラバンの神の像を盗んだことも問われず、ヤコブはラバンと和解の契約を交わし、故郷であるカナンの地へと帰ってゆくことになります。私たちの真の神様は、永遠の主であり、すべてを治める権威ある神様なのです。