平和な人間関係は

マルコによる福音書9章38~50節  

 

 今日の個所は、ヨハネという若い弟子と、イエス様とのやり取りから始まります。ヨハネは激しい気性の人物で、「雷の子」というあだ名がありました。イエス様を迎えない町を見れば「滅ぼしてやりましょうか」と過激な発言をして、イエス様に戒められたり(ルカ9:54)、「イエス様が偉くなったら自分を良い地位にしてください」と言ってみたり(マルコ10:35)、立派な人格者にはとても見えません。

 ところが、このヨハネが後に使徒として、ヨハネの福音書をはじめとする、イエス様の「愛」を力強く証しする文書を残すようになるのです。攻撃性や利己心の塊のような人物が、イエス様に忍耐強く共に歩んでもらい、やがては「愛する者たち、互いに愛し合いましょう(Ⅰヨハネ4:7)」と言うまでに変えられていきました。

 イエス様の教えは、そんなヨハネのように欠けの多い私たちを変えるのです。

1.逆らわない者は味方

 ヨハネはイエス様に、自分たちに従わない者を注意したことを話します。ところが、イエス様は「わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである(40節)」と答えました。人間の弱さは、悪い意味でのグループ意識(党派心)を生み出します。しかし、何でも敵を作るやり方をイエス様は否定します。逆らわない者は味方、というイエス様の見方にならいましょう。人が変えられる一歩です。

2.つまずきに注意

 続けてイエス様は、信仰を励ますことの大切さと(41節)、逆に信仰をつまずかせることへの強い警告を語られます(42節)。

他人の信仰をくじくことも避けるべき問題ですが、自分自身も神様に喜ばれないことをしてしまうきっかけになるような「つまずき」を、注意して避けるように教えられています(43~48節)。つまずきから離れることも変化の一歩です。

3.平和に生きる人に

 最後に、試練や苦難を通して人は成長します。自分自身がそのように育てられることを大切にしましょう。同時に、人に対しては「互いに愛し合いましょう」の通り、相手を受け入れ、赦しあって、平和を生きる人になりましょう。

<思い巡らしてみましょう>

 逆らわない者は味方、つまずかせるものから離れる、互いに赦す