敵を愛しなさい

マタイによる福音書5章38~48節   

  イエス様の教えの言葉に耳を傾けてみましょう。

 1.復讐してはならない

 あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている(38節)」とイエス様は語り始めます。「目には目を~」は有名な言葉ですが、誤解されがちなのは、「復讐せよ」という命令だと思われていることです。本来はやられた以上のことを、やり返さないようにするための意図があります。やはり、人間は「倍返し」したくなるものだからでしょう。

しかし、そのような「普通」のことに対して、イエス様は続けてこう言います。「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい(39節)」

普通の「よい」を超えた一歩、世界を変えるような一歩の話です。

2.敵を愛しなさい

また、「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている(43節)」とイエス様は語り始めます。「隣人」とは、ここでは「友だち」とか「仲間」という意味です。ですから、分かりやすく言えば、「友だちを大切にしなさい、仲間に敵対する奴や仲間にならない奴は嫌いなさい」ということです。後半をわざわざ言う人はいないかもしれませんが、普通は「友だちを大事に」は、よいことです。

しかし、またその「普通」のことに続けてイエス様はこう言います。

「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい(44節)」

3.そんなの無理じゃない?

 「いやいや、そんなの無理じゃない?」というのが、ここまでのイエス様の教えに対する素直な反応かもしれません。私もそう思います。

 しかし、普通は無理ですが、私たちに対してそうしてくださるイエス様の姿を見る時に、はじめてその一歩を踏み出すことができます。イエス様は、私たちがイエス様を信じない敵であった時に、既に私たちの罪を赦すために十字架にかかられた方だからです。犠牲を払って愛するイエス様の姿に、まず目を留めてみましょう。

<思い巡らしてみましょう>

 復讐にとらわれていませんか。イエス様を見て、敵を愛しましょう。