魚二匹とパン五つ

マルコによる福音書 6章30~44節  

 

 今日の聖書箇所は「5000人の給食」と呼ばれて有名な出来事が記されています。

1.羊飼いイエス様

 遣わしていた十二使徒たちが戻ってくると、彼らが少し休めるようにと人里離れた所にイエス様は向かいます。ところが、群衆はイエス様一行を追いかけ、先回りまでしていました。休む間も与えない彼らを見て、しかしイエス様は「飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた(34節)」とあります。羊飼いと羊のたとえは聖書の中でよくでてきますが、イエス様はまさに「良い羊飼い」です。当時の社会のリーダーたちは、罪を恥じることなく(領主ヘロデ)、圧政をひき(ローマ帝国)、自分たちは守れない規則ばかりを押し付ける(宗教指導者)ばかりでした。一方でイエス様は人となり、その痛みを分かち合い、そして主なる神様として教え導き、さらには必要を満たして養ってくださる方でした。

 今も変わらず、私たちを本当に導き、生かして下さるのは主イエスです。

 

2.あなたがたが、わたしたちが

 やがて夕暮れが近づくと、弟子たちは群衆を解散させて、各自で食事をとれるようにさせてほしいとイエス様に提案します。ところがイエス様は弟子たちに、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」と言われました。彼らは驚き慌てて、「わたしたちが…パンを買って来て、みんなに食べさせるのですか」と答えました(37節)。そこには5000人以上もいたのですから、彼らが慌てるのも無理はありません。

 ここでイエス様は彼ら弟子たちの信仰を試されました。彼らはつい先ほどまで遣わされて、イエス様から分かち合われた奇跡の力を体験しながら過ごしていました。だからこそ「わたしたちがやるんですか?」と言うときにも、イエス様に頼る信仰の力に目を向けるようにうながされていたのです。

 

3.賛美と感謝の祈りで

 イエス様は賛美の祈りを唱えて、五つのパンと二匹の魚を分け始めました。すると、5000人が満腹になり、さらに余るほどになりました。主イエスに信頼して、絶えず賛美と感謝の祈りの内を歩む時、ますます主の祝福と恵みを受けるでしょう。

 

<思い巡らしてみましょう> 

イエス様は真に信頼できる唯一の方です。