見るべきもの

民数記 13章25節~14章12節

約束の地を見てきた偵察隊の報告が、モーセとイスラエルの民の前で行われます。

1.いなごと巨人

  偵察隊の報告は、まずその土地が「乳と蜜の流れる所(27節)」だという非常に期待に満ちたもので始まります。しかし、その土地の住民の強さや町の防備の高さも続いて報告されます(28~29節)。偵察隊の12人のうち、10人は後者の心配事に目を留めて、約束の地へ行くのは「不可能だ(31節)」と言い出します。特に彼らが強調するのは、敵が巨人のように見えたということと、自分たちが「いなごのように小さく見えた(33節)」という、目に入る「人」や「状況」だけに心が囚われています。

 これを聞いた共同体の人々はこぞって前進を反対し、新たなリーダーを立てて奴隷だった土地に帰ろうとまで言い出します(4節)。

 

2.犬の信仰

 そんな中で、約束の地へ進むべきだと言う二人の人物がいます。その内の一人、カレブは「必ず勝てます(30節)」と力強く宣言します。彼の言葉は思慮のない勢いだけのものではありません。その背後には神様への信頼があるのです。

 カレブという名前の意味は「犬」です。少し不思議な感じがしますが、その象徴しているのは主人(神様)への忠実さです。聖書は状況を把握し、論理的に物事を進める大切さも教えていますが、それは「主への信頼」が土台にあってのことです。カレブは目に入る課題やリスクは承知の上で、主の約束(13:2)に信頼をしました。

 

3.「主は救い」の信仰

 さらにもう一人の偵察隊のメンバーであったヨシュア(主は救いという意味の名前)も、「主が我々と共におられる。彼らを恐れてはならない(9節)」と心配事ではなく主に目を向けることを民にうながします。

 信仰は盲目であってはなりませんが、実は現実の心配事にこそ私たちは心囚われて盲目になることが多々あります。しかし、主は救い、ということをあらためて思い起こし、確認し、主の約束と恵みに目を留めて歩みましょう。

 

<思い巡らしてみましょう>

 心囚われている問題がありますか。主の約束はなんですか。