人を裁かない

マタイによる福音書7章1~6節   

  イエス様の教えの言葉に耳を傾けてみましょう。

 

1.人を裁くな

 「人を裁くな(1節)」とイエス様は教えます。ここでいう「裁く」とは、良いことと悪いことを自分で勝手に決めて、人を責めたり、批判したりすることを言っています。なぜ、それがいけないのかというと、「あなたがたも裁かれないようにするためである(1節)」と続けています。

 本来、正しいことと、正しくないことを最終的に決めてよいのは、神様だけです。しかし、アダムとエバが神様と約束を破った最初から、「善悪の知識の木」から実を食べて、人間は勝手にそれぞれの正義を決めて人を裁くようになってしまいました。それは神様との関係を壊し、他人との関係も壊す生き方の第一歩でした。

2.自分を見よう

 人を裁かないようにするには、どうしたらよいでしょうか。イエス様は続けて、「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか(3節)」と言って、自分自身の問題にきちんと目を向けるようにと教えます。誰も、非難されるべき点のまったくない人間などいません。「自分より悪い」人を探して叩くのは実に虚しいことです。自分の姿を見直すことが大切です。

3.十字架を見よう

 逆に、イエス様の十字架の姿に目をとめましょう。イエス様は人の罪を裁くどころか、それを赦すために代わりに十字架の罰を受けました。イエス様を見て、裁くよりも、赦すものになりましょう。

4.豚に真珠

 ただし、それは犯罪や悪を見逃せという意味ではありません。「真珠を豚に投げてはならない(6節)」とイエス様は言います。真珠のように価値ある「赦し」を誠実に受け止め、自分自身を悔い改めない人には、神様が直接裁きをなさるのです。

<思い巡らしてみましょう> 

 人を裁いていませんか。自分自身の姿を振り返りましょう。イエス様を見ましょう。