天の国を見据えて

民数記 13章1~24節

民数記から、モーセとイスラエルの民の旅路に目を留めていきましょう。

1.天の国を探る

 約束の土地を前にして、神様はまずモーセを通して「土地を偵察させなさい(2節)」と指示を出します。偵察させなさいとは軍事的なものというよりは「探る」とか「調査する」といった意味の言葉が使われています。実際、遣わされるのは若い兵士たちではなく、12人もの各部族長であることからもそれが分かります。

 つまり、神様はまず約束の土地をリーダーたち自身がよく知り、喜びと期待を持ち、またそこに行きつくための準備を万全にするようにと命じたのです。

 現在の私たちにとっての約束の土地は、突き詰めて考えればイエス様の十字架と復活を通して約束された天国にほかなりません。私たちも天国の喜びと恵みを仰ぎ望み、またそこに至るための地上の歩み方をよく思い巡らす必要があります。

 

2.主は救い

 偵察に出たのは12人。他の人がただ名前を列記される中、特別な形で紹介される人物がいます。「モーセは、ヌンの子ホシュアをヨシュアと呼んだ(16節)」

 ヨシュアはモーセの後を引き継ぐリーダーとなっていくのですが、その名前に注目していることに意味があります。まず、ホシュアとは「救い」あるいは「救い給え」という意味ですが、ヨシュアは神様の名前がそこに加わって「主は救い」という意味の名前なのです。さらに、ヨシュアという名前がギリシア語になると「イエス」となります。すなわち、約束の土地を前にして、天国に導く主イエスこそ私たちの救いだと堅く信じることこそ、そこに至る最大の鍵だということです。

 

3.備えと実り

 偵察隊には細かく、また非常に具体的に、戦うべき相手の様子と、土地の豊かさについての調査の指示が与えられました。天国に向かう地上の旅路には多くの困難があり、戦いもあります。しかし、知恵と信仰を尽くしてそれを乗り越えることができます。さらに、偵察隊が持ち帰った実が驚くほど大きかったように、この地上にあっても神の国の素晴らしさを味わいながら、信仰の旅路を歩んでいきましょう。

 

<思い巡らしてみましょう>

天国に思いをはせましょう。人生を恵みの内に歩む信仰を備えよう